芸術性と個性が輝く日々 – 自閉症介護の現場から

介護

今日も朝から、いつものように利用者さんの部屋を訪れました。毎朝の光景ですが、深い眠りの中。起こすまでぐっすりと眠っている彼の穏やかな寝顔を見ていると、少し申し訳ない気持ちになります。

なかなか起きてくれない

親御さんからは12時には起こしてほしいとの依頼。
11時半くらいから起こしにかかるといつものように『寝る!』と布団の中に顔をうずくまる。
時には布団を剥がして起こすのですが、本日は剥がさずに起きてくれました。

相槌が意外と難しい

『のんのんのん』  →  『生一番』
『あたま』     →  『かた・ひざ・ポン♪』
など、彼の発語に返す言葉がなぜか決まっているのです。
聞き取れない時はオウム返しで良いのですが、あまり聞き取れなさすぎるとちょっと怒ります。『おっ!おっ!』と、怒り方が可愛いのですが、馬鹿にも出来ずごめんごめんと謝ります。

あんまり不穏にさせると何するかわからない節もあるので気は抜けませんが、上手く相槌を返していくと上機嫌になるところも愛らしい。

アーティスト性が高い

そんな中で、彼の持つ素晴らしい才能に日々驚かされます。特に芸術の分野での表現力は素晴らしく、障害者アート個展を時折開けるほどです。

本日も粘土細工の時間では、まるで魔法のように次々と作品が生まれていきました。世界各国の国旗や果物たちを瞬時に作り上げていくのですが、どことなく趣深い造形に惚れ惚れ。

この才能がさらに開花して、いずれ有名になるのではと胸躍る毎日です。時には朝の起床に苦労することもありますが、このような素晴らしい才能と個性に触れられる毎日は、介護の仕事の中でも特別な喜びとなっています。彼らの持つ可能性は無限大で、私たち支援者は、その才能が存分に発揮できる環境づくりをサポートしていきたいと思います。